摩利支天を分かりやすく解説 ~忍者の隠形術との深い関係とは~

摩利支天は、陽炎(かげろう)の神格化された存在として、仏教の守護神の一つに数えられます。その捕らえどころのない性質から、戦国時代の武士や忍者に信仰されていました。特に忍者たちは、摩利支天の加護を得ることで、隠形術(敵から身を隠す技術)の効果を高めたとされています。本記事では、摩利支天の起源や忍者との関係、真言や印について詳しく解説します。
目次
1. 摩利支天の起源と信仰

1.1 仏教における摩利支天の位置づけ
摩利支天は、仏教において陽炎や光を象徴する神とされ、主に戦士や旅人の守護神として信仰されています。その名前はサンスクリット語で”Marici”(光輝)に由来し、”陽炎の女神”とも称されます。彼女は他者の目から姿を隠す能力を持ち、危険から身を守るとされます。
摩利支天の姿は、仏教の経典によってさまざまに描かれています。一部では、彼女は六臂(六本の腕)を持つ姿で描かれ、手には弓矢や剣を携えています。また、鹿の背に乗った姿も特徴的であり、これは彼女の自由で迅速な移動を象徴しています。この姿が後に武士や忍者にとっての理想像と結びつきました。
1.2 日本における信仰の広がり
摩利支天は中国を経て日本に伝来し、武士や忍者の間で特に重要視されるようになりました。平安時代には貴族たちにも信仰されていましたが、戦国時代になると戦闘に関連する武士たちが熱心に信仰を深めていきました。摩利支天を祀る寺社も多く存在し、例えば、東京都文京区にある摩利支天徳大寺は有名です。この寺院は現在も多くの参拝者を集めています。
また、摩利支天は庶民にも親しまれ、商人や農民の守護神としても崇められました。彼らは摩利支天を祀ることで、商売繁盛や家庭安全を願ったとされています。
2. 摩利支天と忍者の関係

2.1 隠形術の守護神としての役割
忍者たちは、隠形術を用いる際に摩利支天の力を借りると信じていました。摩利支天の加護を得ることで、敵の視線をかわし、追跡を免れるとされます。摩利支天は、忍者たちにとって「敵に見えない存在」という理想像そのものでした。
忍者が隠形術を発展させる上で、摩利支天信仰は重要な基盤となりました。摩利支天の持つ「目に見えない力」は、隠形術だけでなく、心の平静や集中力を高める要素としても役立ったと考えられます。
2.2 摩利支天を祀る忍者たちの儀式
忍者は任務に出る前に摩利支天を祀る儀式を行いました。この儀式では、摩利支天の真言を唱えたり、小さな護符を携帯することで精神的な安定と成功を祈願しました。護符には摩利支天の姿や真言が描かれており、これを身につけることで摩利支天の加護を得られると信じられていました。
また、忍者たちは月明かりの下で摩利支天を祀ることで、自身が光と影の調和を得る儀式を行うこともありました。このような儀式は、忍者たちの精神的な支えとなり、危険な任務への挑戦を後押ししました。
3. 摩利支天の真言と忍者が使う印

3.1 オン マリシ エイ ソワカの力
摩利支天の真言「オン マリシ エイ ソワカ」は、光と隠形の加護をもたらすとされています。この真言は、忍者が任務の前に唱えることで、精神を集中させ、隠形術の効果を高める役割を果たしました。
真言を唱えることで忍者たちは、自己暗示をかけ、冷静かつ迅速に行動する心構えを整えました。また、この真言は単なる祈りではなく、呼吸法や瞑想と組み合わせることで、その効果を増幅させたとされています。
3.2 忍者が使う印
忍者たちは「九字護身法」と呼ばれる印を結ぶことで、自身の術を強化しました。この九字は、「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」と唱えながら指を動かして印を結ぶものです。
九字護身法は、単なる呪文ではなく、体の動きと精神集中を一体化させる技法でした。これにより、忍者たちは恐怖を克服し、冷静に任務を遂行する力を得たのです。
3.3 摩利支天の印
摩利支天を信仰する際に結ぶ印は「陽炎印」とされます。この印は手を合わせ、指を特定の形に組み合わせることで、摩利支天の力を自身に宿すとされました。陽炎印は、光と影を自在に操る摩利支天の性質を象徴しており、忍者たちはこれを結ぶことで隠形術の成功を祈りました。
陽炎印は、瞑想や呼吸法と組み合わせて行われ、摩利支天の力を深く実感する手段として用いられました。この技法は、忍者の間で密かに受け継がれ、彼らの術の一部として発展しました。
4. まとめ
摩利支天は、その捕らえどころのない性質から、忍者たちにとって隠形術の守護神として重要な存在でした。彼女の信仰は単なる宗教的なものではなく、実際の術や戦略に結びついていました。また、摩利支天の真言や印は、忍者たちの精神的支柱として活用されていました。
さらに、摩利支天を中心とした信仰は、武士や庶民にも広がり、多くの日本人にとって希望と安心感を与える存在であり続けました。現代においても、摩利支天の信仰は寺社や一部の修行者によって引き継がれています。その教えや信仰は、忍者文化の研究や実践において重要な手がかりを提供しています。
摩利支天を通じて、古代から受け継がれる日本の神秘的な伝統を知るきっかけとなれば幸いです。
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